531杯目:富士そば西武新宿店で和風ひやかけ
先日、Twitterで気になるツイートを見つけた。「富士そばの店員に『冷たいかけ』が通用しなかった」(一部加工しています)。この店員と同様に、私も最初はツイート主の意図が読み取れなかった。「かけそば=温かいそば」という先入観があったからだ。文脈から察するところ、どうやらツイート主は「ぶっかけそば」をご所望だったらしい。そうか、たしかに「冷たいかけ」である。なんら矛盾していない。むしろ「ぶっかけ」の方が、表現が適当ではない気がしてきた(温かいそばも「ぶっかけ」といえば「ぶっかけ」だ)。
「冷たいかけ」を「ひやかけ」に省略すると、なんだか通っぽい。富士そば西武新宿店の「和風ひやかけ」(590円)を食べて、そう思った。
品名に「和風」とあるが、「ひやかけ」が純和風であることは自明である。なにか特別な工夫があるのだろうか。富士そば公式Facebookには「特製の冷たいスープを使った」とだけ記されていて、詳細はよくわからなかった。
黒い丼に見慣れたせいか、透明の器がとりわけ新鮮に映る。おくら、みょうが、おろし生姜の取り合わせも彩りよし。鮮やかな盛りつけが梅雨どきの陰鬱な雰囲気を吹き飛ばしてくれる。
薬味だけでは味気なくなってしまいそうだが、そこは揚げだまでカバー。食感にアクセントが生まれ、思いのほか食べごたえがある。こうして見ると、薬味の活用は作り手のセンスや個性が表れる気がする。なんだか、新宿都庁店の「薬味まぜそば」が懐かしくなった。
満足のいく一杯であったが、品名に関してはまだ疑問が残る。これだけ薬味が乗っていると、もはや「かけ」の域を超えているのでは?
希少性:★★☆ インパクト:★★☆ コスパ:★★☆
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