505杯目:富士そばカップ麺(紅生姜天)が2年ぶり3度目の登場
2022年11月7日、富士そばのカップ麺が販売された。おなじみの「紅生姜天そば」をカップ麺化したもので、「凄麺」や「ニュータッチ」で知られる食品メーカー「ヤマダイ」が製造を手掛けている。最後に販売されたのは2020年、2年ぶり3度目の販売とあって、SNSには喜ぶファンの声があふれた。
かくいう私も歓喜に沸いたマニアのひとり。通販サイトで1ダースを入手した。しかし、ここに至るまでは、決して平坦な道のりではなかった。
富士そばカップ麺の再販がアナウンスされたのは、10月21日のこと。マニアの性というもので、私はなんとしてでも発売日にゲットしたかった。もはや、富士そばカップ麺はコレクターアイテムなのである。
とはいっても、2019年、2020年の販売時は、さほど労せず購入できた。セイユーやウエルシアあたりでは山積みになっていて、拍子抜けするほど。だから、今年もなんとかなるだろうと、高をくくっていた。
そして迎えた発売日、私の目論見は見事に外れた。近所の小売店をまわってみたが、どこにもカップ麺が売っていないのだ。隣町にあるスーパーマーケットにも見当たらず。取材場所周辺のコンビニを覗いてみても、収穫なし。頼みの綱でもあった通販は、発売数週間前から予約注文していたにも関わらず、何度も配達遅延に……。焦燥感に駆られる私とは対照的に、Twitterではカップ麺入手に浮かれるツイートがちらほら。いったいどこにある、富士そばカップ麺。
――もしや、強烈なマニアが買い占めているのではないか?
ありもしない敵の姿に翻弄にされる日々が続いた。
カップ麺を手に入れたのは、発売から一週間後のことだった。ついぞ、お店の棚で見かけることはなく、通販分が届いたのだ。焦らしに焦らされていたので、感動もひとしお。箱の中で整然と並ぶカップ麺は、目がつぶれそうなほどまばゆく輝いていた。
歴代カップ麺を並べると、パッケージデザインの変遷がよくわかる。紅生姜天そば、店舗外観、麺リフト……と、パッケージに少しずつ情報が増えていくのがおもしろい。来年は、社長の近影でも載せてほしいところだ。なお、単体価格は前回から20円ほど値上がりして、280円前後となっている。
つゆはちゃんと出汁感があって、醤油が効いている。本家よりも少し上品だが、再現度はなかなか高い。
そばはやや細目で、紀州屋製麺のタイプに近い。ヤマダイ自慢のノンフライ麺だから油が溶け出さず、最後の一口までおいしいつゆが堪能できる。
紅生姜天は、ザクザク食感が楽しい後乗せタイプ。ふやけてしまわないよう、適宜、つゆにくぐらせて食べるのが好みだ。
2年ぶりの再会であったが、つゆ・そば・天ぷらと総合的に見ても満足度が高い。この味がやっと帰ってきた、という気にさせる。このクオリティなら、首都圏外に住む富士そばファンも満足できるはず。年越しそば用にいくつか備蓄している人も少なくないだろう。
3度に渡る販売は、富士そばカップ麺の人気が高いことの証明だ。来年あたりは、ぜひ「肉骨茶そば」をカップ麺にしてほしい。
希少性:★★☆ インパクト:★★☆ コスパ:★★★
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