2024-07-02

604杯目:富士そばのもずくそばを食べ比べ①

各運営会社のオリジナル「もずくそば」が揃い踏み

 7月1日より、富士そば約40店舗で勝連漁業協同組合(沖縄県うるま市)とコラボした「もずく」メニューの販売がはじまった。
 これまで「なると金時」「桑名のはまぐり」などのご当地食材を使う企画は度々行われてきたが、今回は若干毛色が異なる。なんと、富士そばの運営会社ごとにオリジナルのもずくメニューを用意しているのだ。いつもなら全社共通のメニューを1、2品用意する流れなのだが、いったいどうして? 丹社長が大号令をかけて、オリジナルメニューの開発を呼びかけたのだろうか。
 今回用意されたもずくメニューは、以下の10品。それぞれ運営会社名(一部、店舗名)も併記する。
 ①冷やし生もずくとろろそば 700円 ダイタンマルシェ
 ②もずくとオクラの天そば 670円 ダイタン食品

 ③生もずくと冷やしオクラとろろそば 680円 ダイタンキッチン
 ④めんそーれ生もずくそば 690円 ダイタン企画
 ⑤冷やし肉もずくそば レモン果汁入り 730円 ダイタンミール
 ⑥紅もずくたぬきそば 570円 ダイタンイート
 ⑦冷やし辛ネギもずくそば 640円 ダイタンディッシュ
 ⑧冷やし生もずくぶっかけそば 630円 池袋ダイタンフード
 ⑨生もずく冷やし特選富士そば 690円 品川店(ダイタンキッチン

 ⑩生もずくビビン麺 900円 秋葉原店(ダイタンマルシェ)

 以上、目移りするほどの品揃えである。特筆すべきは、運営会社とは独立したメニューで参戦する⑩生もずくビビン麺(秋葉原店)。会社の後ろ盾なしで我が道をいく、という気概の表れなんだろうか。なお、⑨の生もずく冷やし特選富士そばは、8月に全店提供が決まっているメニュー。いわゆる先行販売なので、秋葉原店とは若干立ち位置が異なる。
※提供店舗は公式サイトで確認できます。
 ひとつの食材をテーマに各運営会社がアイデアを競い合う――、富士そばを追いかけて10年になるがこれほど胸が高鳴る企画があっただろうか(近い事例としては、過去の「岩下の新生姜キャンペーン」がある)。こういうのを待っていたのだ、私は。
 富士そばマニアとして、このビッグウェーブに乗らない手はない。全メニューを食べ比べして、この企画の顛末を見届けなくては……。

あえてもずくを引き立て役に据える潔さ
生もずくビビン麺(秋葉原店)

 食べ比べは、秋葉原店の「生もずくビビン麺」(900円)からスタート。はなから”変化球”をチョイスしてしまったが、店へのアクセスがよかったのだから仕方がない。目当ては「生もずくビビン麺」だったものの、それ以上に「屋台セット」(⁉︎)や「たこねぎそば」などの限定メニューに心を惹かれ、券売機前でしばらく立ち尽くしてしまった。

「生もずくビビン麺」は少々値が張る分、トッピングが豪華。生もずく、ゆでたまご、キムチ、千切りきゅうり、韓国海苔……と、盛りつけの充実度は全メニュー随一だ。

 もずくは味つけされているわけではなく、ほのかに塩味を感じる程度。てっきり「もずく酢」のような味つけだと思っていた。ただ、そばとの相性を考えたら、これくらいの味つけがちょうどいい。

 というのも「ビビン麺」の名の通り、そばにコチュジャンがたっぷりと和えてあるからだ。これでもしもずくに味をつけていたら、そばと喧嘩していたに違いない。ビビン麺が主役で、もずくはあくまでも脇役ということか。その潔さには好感がもてる。

トマトともずく酢の酸味が暑さを吹き飛ばす 
めんそ〜れ生もずくそば(水道橋店)

 全メニューのなかで唯一、品名にご当地色を盛りこんだのがダイタン企画の「めんそ〜れ生もずくそば」(690円)である。私が沖縄出身ということもあり、こうしたアプローチにはついほだされてしまう。まあ、めんそ〜れ(ようこそ!)といったところで、ここは千代田区にある水道橋店なのだが。気持ちだけでも沖縄に誘ってあげたい、そんな心づかいなのだろう。

 ちゃ〜びらさい(ごめんください)ということで、さっそく食べてみた。こちらの主なトッピングは、生もずく、カットトマト、ゆで卵。秋葉原店といい水道橋店といい、ゆで卵を使うことがレギュレーションで決まっているのだろうか。
 もずくとそばにもずく酢用のタレ(たぶん、酢&めんつゆ)が和えてあって、期待通りの仕上がり。秋葉原店よりもヌルヌル感があって、これぞもずくといった味わいだ。

 なかには、もずく酢のタレを塩っぱく感じる人もいるだろう。もずく酢くらいの量であればそこまで気にならないが、そば全体にタレが和えてあるので若干くどく感じる。もずくの粘度が加わって、タレがまたそばによく絡むんだ。

  単調になりがちなタレの味わいをどうするか。その打開策となるのが、カットトマトである。トマトを全体に広げたら、別アプローチの酸味で塩味が中和された。炎天下を5kmくらい歩いてから食べると美味さが跳ね上がりそうだ。
 食べ比べ②に続く

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