612杯目:富士そば秋葉原電気街店でさらに贅沢カレーかつ丼 極
先日「コラム11:富士そば池袋店で生まれて30年……カレーかつ丼の歴史を紐解く」という記事をUPした。「カレーかつ丼」のアニバーサリーイヤーに触れる内容で、私は記事の結びを次のような一文で締めくくった。
2025年はカレーかつ丼の販売30周年にあたります。なにか大きな企画が用意されているのではないかと、いまから楽しみでなりません。
早くもその予兆が現れたのか、富士そば秋葉原電気街店に「カレかつ」の新作が登場した。「カレーかつ丼」の上位互換メニュー「贅沢カレーかつ丼」を超える「さらに贅沢カレーかつ丼 極」である。価格は超強気の1450円。これは通常版「カレかつ」の倍以上の額にあたる。同店のメニューが“インバウン丼”と取り沙汰されたのは記憶に新しいところだが、全く意に介していないようだ。
黄金聖衣(ゴールドクロス)を彷彿とさせる丼は、「贅沢カレかつ」から引き継いだ仕様。とんかつは手のひら大で、見るからに食べごたえがありそう。隣の汁椀と比較すると、その圧倒的なボリューム感がより際立つ。
とんかつは「カレかつ」のルールに則り、4切れにカットされている。1切れの幅は3、4センチ、厚みは1センチほど。口に運ぶと驚くほどやわらかく、難なく噛み切れた。ちゃんと「肉を食べている感じ」が味わえて、1切れの満足度が通常版「カレかつ」のかつ一枚分に相当。これがあと3度(3切れ)続くのだからたまらない。立ち食いそば店であることを考えたら充分なクオリティである。
「カレかつ」の最終進化系ともいえる「贅沢カレーかつ丼 極」は、通常版にある(よくも悪くもな)チープ感を見事に克服して見せた。ただ、あえて提案するならば、下位ランクにあたる「贅沢カレかつ」との明確な差別化がほしかったところだ。富士山のイラストをあしらったプレートを立てるとか、蓋つきの重箱に盛りつけるとか。ちょっとしたことでいい。安くはない分、価格に見合った“お土産”がほしくなる。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★☆
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