552杯目:富士そば秋葉原電気街店でかつ丼(デラックス版)
8月1日より、富士そばのかつ丼が一杯550円から580円になった。いわずもがな、原材料費高騰の影響だ。寝耳に水のタイミングだったが、安易に“ステルス値上げ”するよりは断然マシである(とかいいつつ、内容も若干見直している気もする……)。
その一方で、富士そばはかつ丼の高級路線化も模索している。価格改定とあわせて、秋葉原電気街店で「贅沢<しあわせ>かつ丼」(980円)の販売がはじまった。メニューをリニューアルする企画「To be FUJISOBA Deluxe」の一環で、通常のかつ丼と入れ替わるかたちで登場した。
「贅沢<しあわせ>かつ丼」のウリは、ビッグサイズのとんかつ。通常よりも厚み、幅が1.3倍ほど大きくなった印象で、ごはんを覆いつくさんばかりの存在感がある。
とんかつは三元豚を使用(まあ、銘柄豚の類ではないが)。通常版と変わらず4切れにカットされている。1切れ1切れが大ぶりで、これはたしかに「幸せ」かもしれない。肉質は驚くほどやわらかく、適当な表現ではないかもしれないが、鶏もも肉のような食感。当然のことながら、味は豚肉なので脳内で軽くバグが起こる。
これにそばを付けると1270円になる。なかなか強気な価格設定だが、財布の紐がゆるんだ訪日観光客なら躊躇なく注文しそうだ。実際のところ、私のほかに2名の外国人客がかつ丼を食べていた。富士そばは海外のガイドブックにも載る程度には認知されているらしいでの、思い出づくりのつもりなのかもしれない。
気になるのは、通常版とデラックス版の棲み分けだ。SNSでは、事情を知らずに注文した日本人客が「富士そばのかつ丼が1000円近くになっていた……」と嘆いていた。どんぶりをゴールドにするくらい大々的にアピールしていかないと、ただの大幅な値上がりに映ってしまう。
「To be FUJISOBA Deluxe」シリーズは今後もコロッケや紅生姜天、ラーメンなどをリニューアルしていく予定だ。評判がよければ、デラックスメニューだけを取り揃えた別業態の立ち上げも考えられる。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★☆☆
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