352杯目:富士そば高円寺店で輪島ふぐの唐揚丼セット
このごろ富士そばがヘンだ。え? 前からヘン? たしかにそのとおりなのだが「ヘン」は「ヘン」でも、「まとも」な方向へ舵を切っているのである。
なんと、9月1日より高円寺店、上野店でふぐを使ったメニューが販売されたのだ。使用するのは石川県輪島市の特産品「輪島ふぐ」。市内の港で水揚げされた真フグやごまふぐ、しょうさいふぐなどがこの銘柄で呼ばれる。正真正銘の天然ものである。
輪島市との正式コラボ。その背景には、コロナ渦によって抱えた在庫問題がある。外出自粛で需要が落ちこみ、輪島ふぐが大量に余ってしまった。量にしておよそ6.8トン。「少しでも多くの人に食べてもらうことはできないものか……」。窮地に立たされた市は富士そばに活路を見出す。首都圏の人にも特産品を広く知ってもらえるという期待もあった。
取り扱う店舗にはバリエーションの異なるメニューが並ぶ。上野店は温・冷の「輪島ふぐそば」(720円)。高円寺店は「輪島ふぐ唐揚丼セット」(780円)と「輪島ふぐ唐揚そば」(720円)。いずれもふぐの身90gを贅沢に使用する。
高円寺店で唐揚げ丼セットを食べた。丼には、玉子でとじたふぐの唐揚げが。かなりの薄衣で竜田揚げのようにも見える。パサパサしているだろうと高をくくっていたら、思いのほかほくほくの食感。ギュっと身がしまっていて肉厚だ。
私の数少ないふぐ経験から得た感想になってしまうが、立ち食いそば屋だからといって侮れない仕上がりになっていた。
コロナ渦という苦境のなかで、思わぬところで2つの点がつながった。これを機に第二、第三のコラボも期待したい。
ところで、輪島のもうひとつの特産品といえば「輪島塗り」である。ある日突然、富士そば全店の食器が総入れ替え。なんてことが起こったりしないだろうか。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★☆
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