2020-10-01

356杯目:富士そば水道橋店できのこ三昧そば

 秋の到来とともに、きのこが旬を迎えた。商店街を歩くと飲食店の「きのこフェア」のポスターやのぼりが度々目にとまる。紅葉や名月とおなじように、これもまた季節感のある風景なのかな、と思ったりする。

 秋の静けさを打ち破るようなにぎやなか看板を、富士そば水道橋店の店頭で見かけた。「きのこ三昧そば」(550円)と「豚きのこ餡かけ丼セット」(570円)を宣伝する看板で、大きく「香るきのこ三昧」と銘打たれている。こってりした情報量にあてられて、背景に使われている画像が紅葉だと気づくのにしばらく時間がかかった。炎上風景だと思った。


「きのこ三昧そば」を食べた。仏語でいうところの「三昧」は「雑念を離れて心を一つの対象に集中した状態」を指すが、こと飲食の場面となると、特定の食材だけをたっぷり使った「三昧」と同じカテゴリの食材を数種類使った「三昧」の2つの用法に分けられる。量か種類か。
「きのこ三昧そば」は後者にあたる。看板の表現にならうと「香り芳醇な椎茸天」「舞う旨さの舞茸天」「うま味凝縮しめじ天」がトッピングされている。それぞれの個性が際立つ布陣は、さながら“黒い三連星”。香るきのこの畳みかけに”秋のジェットストリームアタック”という言葉が脳裏をよぎった。
 水道橋店のほか池袋店や新橋駅前店などの複数店舗で販売中。
希少性:★★★ インパクト:★★☆ コスパ:★★★

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