494杯目:富士そばふじみ野店でほわっとそば
都心から離れた富士そばは、独自進化を遂げる傾向にある。なかでも、ふじみ野店は佇まいからしてちがう。雑居ビルに入っているほかの店舗とは異なり、こちらは独立した路面店。ふじみ野駅からメインストリートを進むと、やたらと大きなロゴ看板が目に飛び込んでくる。この日はあいにくの曇天であったが、晴れた日には、青空と赤い看板がコントラストを織りなし、見事な景観が現れる。
盛りそばを角型のせいろで提供する珍しい店舗でもある。ゴージャスな黒塗りの器がそばの存在感をグっと引き立ててくれる。
そんなふじみ野店の限定メニューが「ほわっとそば」(500円)である。一見すると変哲のないとろろそば。一風変わったネーミングの由来とは?
その正体は、ほうれん草・わかめ・とろろ入りそば。各トッピングの頭文字をとって「ほわっと」というわけである。しかしちょっと待ってほしい、わかめは大抵のそばに盛られているので、ことさら強調しなくてもいいのではないか? なんなら、パラっとかかっているかつお節の方がトッピングとしての”格”は上ではないのか? いろいろと不都合なことを覆い隠してでも、「ほわっと」の名を成立させる力業。開発者は、この一皿に相当な思い入れがあるのかもしれない。
ほうれん草・わかめ・とろろ……。自分なりのネーミングを食べながら考えてみたが、妙案は思いつかなかった。改めて考えると「ほわっと」も悪くない気がする。そう思ったら、目の前の一皿が急に愛おしくなってきた。
希少性:★★★ インパクト:★★☆ コスパ:★★☆
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