512杯目:富士そば高円寺店でえびせんそば
そばを覆い尽くすピンク色のうねり。中華料理や東南アジア料理でおなじみの「えびせん」もそばに盛られてしまえば、たちまち異彩を放つ。この世にも奇妙な珍そばは、富士そば高円寺店の限定メニュー。その名も「えびせんそば」(550円)である。
富士そばの公式Facebookで試作品が公開された際は「今夏の販売予定」としていた。ところが、前評判が良かったのか、ここにきて突然提供がスタートした。
公式リリースは当てにならないこともあるので、さほど驚きはしなかったが、なぜ高円寺店での販売に至ったのか。店主は中堅落語家のような威勢のある風体で、あまり珍そばを開発するようなタイプには見えないのに。
思い返せば「肉骨茶そば」や「ふぐの唐揚げ」を先行販売したのも高円寺店だった。新メニューの実力を見極めるテストマーケティングの場も兼ねているのだろうか。もしかしたら、本社に弱みを握られた店主が言われるがままに珍そばを提供しているのかもしれない。
えびせんそばを食べるときは時間との闘いだ。えびせんならではのサクサク食感が楽しめるのは開始3分間程度。つゆでふやけると口当たりが一変。でん粉がドロっと溶けて、ジュレのような舌触りになる。サクサクかドロドロか、この二面性も「えびせんそば」の醍醐味。売れ行き次第では、販売店舗の拡大もありえるか? それならば、次は冷たいそばでも食べてみたい。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★★
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