551杯目:富士そば門前仲町店でカレーパン丼(桜井まいコラボ企画)
富士そばと女子プロレスの邂逅――。はたして、世紀の黄金カードとなるのか、それとも平田淳嗣ばりの塩試合に終わるのか。
8月2日、富士そば門前仲町店で「カレーパン丼」(700円)なる、怪奇派メニューが50食限定で提供された。これは、女子プロレスラー・桜井まい選手(STARDAM所属)とのコラボ企画。「リングの貴婦人」こと桜井選手が度々、富士そばを絡めた庶民(ファン)いじりを行っており、このムーブメントに富士そば本隊が合流。桜井選手に「カレーパン丼を食べてみませんか?」とアプローチし、今年5月に試食会を敢行した。以降、桜井選手は富士そばアピールを積極的に続け、今回の限定販売に至った。
もともと流行りものに乗っかる富士そばだが、さすがに5月の試食くらいでストーリーは完結するものと考えていたのではないか。ところが、桜井選手の方が一枚上手だった。貴婦人キャラに富士そば要素を効果的に取りこんでいき、すっかり我がものにしてしまった。まさに「掟破りの逆便乗」。プロレスラー恐るべし、である。いつかの大仁田&真鍋アナのように、桜井選手が富士そば担当者をどつき回す日が訪れるかもしれない。
そして迎えた、販売当日。提供時間の15時直前に店を訪れたら、すでに20名近くが店頭に待機。見たところ、6割ほどの人がプロレス関連のTシャツやグッズを身につけている。
整理券の番号は「29」。あとから聞いたら、この十数分後にすべての整理券がはけてしまったそうだ。プロレスファン恐るべし、である。
整理券を入手できた人は、「カレーパン丼」を食べる前にくじ引きを引く権利が与えられる。目玉賞品は、桜井選手のサイン入り富士そば丼ぶり。私もチャレンジしたところ、副賞のサイン色紙をゲットできた。桜井選手のファンに少し申し訳ない気がした。
なんと、この日は桜井選手がサプライズ訪問。聴衆の前に君臨すると、大きなどよめきが起こった。桜井選手はファンサービスも抜かりなく、「カレーパン丼」を一人ひとりにサーブ。プロレスラーから料理を受けとるなんて、後にも先にもこの時だけだろう。
「カレーパン丼」は、カレーパンの卵とじをごはんに乗せた代物。開発に至った経緯は定かではないが、これを考えた人間は三日間くらい不眠不休だったのかもしれない。
まず、カレーパンを2つに割る。生地はふわふわ、もちもち。中に詰まったカレーソースはほんのりスパイシーで甘みが強い。カレーパン単体で食べても充分満足できそうだ。
いや、むしろカレーパンは単体で食べたい。なぜなら、卵とじと微妙にマッチしていないから。両者ともに美味しいのに、なぜかスイングしないのだ。猪木アリ状態が続いて、結局、両者リングアウト。気づけば、カレーパンと玉子とじ丼を別々に食べていた。
ただ、イベントとしてはとても楽しく、充実したものだった。業界は違えど、富士そばファンとプロレスファンの一体感も楽しめた。
帰りしな、富士そば担当者にカレーパンの調達先を聞いたら「今回は、店の並びにある……で」と、打ち明けてくれた。買って食べてみたら、ふつうに美味い。卵とじではなく、温かいそばと合う気がする。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★☆
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