2025-04-02

630杯目:富士そば代々木八幡店でコンビーフMAYOそば

「コンビーフ」と聞くと、台形の缶詰を思い浮かべる人も多いだろう。あの独特な形は、コンビーフをすき間なく詰めるための工夫で、1875年4月6日にアメリカで特許登録された。この日にちなんで、4月6日は「コンビーフの日」に制定されている。

みんな大好き、ノザキのコンビーフ。

 今年、「コンビーフの日」は制定150周年を迎えた。このアニバーサリーイヤーに動いたのが「ノザキのコンビーフ」で知られる川商フーズだ。限定商品の販売に加え、企業とのコラボーレーション企画を積極的に展開。ジャンルは多岐に渡り、スナック菓子やアパレルグッズ、アミューズメント景品と……まさにお祭り騒ぎの様相である。

代官山店のコンビーフそば単体

 各企業が周年を盛り上げるなか、ひときわ異彩を放つのが富士そばだ。コラボメニューとして、ノザキのコンビーフをトッピングした「コンビーフそば」(950円)を開発。4月1日より、吉祥寺店や代々木八幡店、高田馬場店などの一部店舗で販売を開始した(提供は4月31日まで)。
 コンビーフとそばの組み合わせは意外性があるものの、そこまで突飛に映らない。互いの持ち味を活かす意味でも「コンビーフそば」という着地は妥当に思えるし、ある種の大人な対応ともいえるだろう。しかし、それはあくまでも建前に過ぎない。富士そばの真の狙いは、もっと深いところにあった。

コンビーフそばにマヨネーズを追加。紛うことなき、珍そばである。

 富士そばの公式リリースを見ると、コンビーフそばを前面に押し出してはいるが、実際には“もう一つの選択肢”を猛烈にプッシュしている。それが、マヨネーズを追加した 「コンビーフMAYOそば」(1050円) だ。コラボメニューに禁断の一手を加えたこの珍そばこそ、富士そばの本命に違いない。考えすぎだといわれそうだが、公式リリースの熱量からして、そうであるとしか思えないのだ。

マヨネーズは50グラム。客みずからつゆに投入する。

「コンビーフMAYOそば」は見た目のインパクトこそ強烈だが、意外にもよくまとまっていた。これはノザキのコンビーフ力(りょく) によるところが大きい。コンビーフだけ食べても当然おいしいし、脂がつゆに溶けこむことでコクが増す。コンビーフマヨのおいしさは言わずもがなで、それをそばに絡めても結構いける。
 が、後半戦から雲行きが怪しくなる。マヨネーズとつゆが混ざり合うほどに、違和感が増していく。不味いわけではない。でも、しっくりこない。マヨネーズがダマっぽくなってしまうのも気になるところ。
 とはいえ、コンビーフMAYOそばを完全否定できない自分がいる。 ものは試しと、別の店舗でコンビーフそばを食べてみたところ、どうにも物足りない。もう少しパンチが欲しい。 ここに足すべきものは……やはりマヨネーズ! そんな気がしてくるから恐ろしい。もう一度コンビーフMAYOそばに挑めば、正解が見えてくるのだろうか。
 それにしても、川商フーズはコンビーフMAYOそばをどう思っているのだろうか。 もちろん、両者の合意なしにメニューが生まれるはずもないが、 内心「やっちまった!」と後悔していたりして。公式サイトのコラボ一覧に富士そばが記載されていないところ見ると、すでに黒歴史として封印されつつあるのかもしれない。富士そばマニアとしては寂しい限りだが、 おもしろいからよしとしよう。

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