560杯目:富士そば赤坂店でミニレバニラ丼セット
豚レバーとニラを炒めた中華の定番料理。アレの呼び名を巡る論争は、誰しもが経験したことがあろうだろう。「レバニラ炒め」か、それとも「ニラレバ炒め」か――。一説によると、後者のニラ→レバの順が中国の表記に近いらしい。
なお、弊ツイッターアカウントでアンケートをとったところ「レバニラ」の支持が支配的であった。滑舌の悪い私としても、比較的発声しやすい「レバニラ炒め」を推したい。
レバーの方が多ければ「レバニラ」で、ニラの方が多ければ「ニラレバ」という意見も目にする(基準が曖昧すぎるだろ、という気もするが……)。その説に倣うなら、富士そば赤坂店の「ミニレバニラ丼」は前者に該当する。なんの前触れもなく現れた店舗限定メニューで、そばとのセットで750円。
「レバニラ」を構成するのはレバー・ニラ・もやし。占有率から見て、場のイニシアチブを握っているのはレバーで間違いない。最小限の食材でありながら、意外とちゃんとしていて驚いた。オイスターソースの濃厚な味つけが個人的には新鮮で、ごはんが進む、進む。
気になるのは、この「レバニラ」の調理方法だ。マニアなら知っての通り、富士そばの調理オペレーションに「炒める」作業はない。厨房に小さなコンロがあるにはあるが「かつ丼」用の親子鍋に特化したものだ。だとするなら、調理済みの業務用を使っている可能性もなくはない……。
悩んでいてもしかたがないので、料理の提供前に厨房をチラリとのぞいてみた。とくになにかを炒めている様子はない。作業らしい作業といえば、店員がフライヤーに揚げ物バスケットをつっこんでなにかを揚げているだけだ。ちょっとまて、まさかあれが……? そのまさかであった。店員が揚げ物バスケットを引き揚げると、中にはカットされたレバーが(入っているように見えた)。そう、レバーを素揚げしていたのである(たぶん)。
そして、素揚げしたレバーに加熱済みのニラ・もやし、オイスターソースを和えたらできあがり。「レバニラ炒め」ならぬ「レバニラ和え」である。
炒められないなら揚げればいい。ウルトラC級の妙案に思わずうなる。
すべての調理工程を追えたわけではないので、今度はもっと間近で観察したい。あと「純レバ」も出してください。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★★
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