496杯目:富士そば武蔵小山店で冷し蒸し鶏とろ玉そば
仕事が一瞬落ち着いたので、日頃行かない富士そばへ行ってきた。狙いを定めたのは東急目黒線。武蔵小山駅、西小山駅、元住吉駅……と、じつは沿線に富士そばが多く点在しているのだ。
この日は、武蔵小山店へ。2021年1月に「ご多幸うどん」を食べて以来の来店である。相変わらず商店街に溶けこんでいて、オフィス街の富士そばは一味違う趣きがある。
建物を見上げて、目が釘付けになった。二階の窓に「富士そば」の印章が施されていたからだ。まるで、魔を退ける破邪の印。武蔵小山店は、まだまだ私の知らない魅力を秘めている。
目当ての「ごろごろゲソ天そば」は、残念ながら売り切れ。落胆しながらも念のため券売機を物色すると、見慣れぬメニューを発見する。「蒸し鶏のとろ玉そば」(520円)。衝動で食券を買ってみたが、店頭にメニュー写真は見当たらない。温かいそばと冷たいそばのどちらをオーダーするのが正解なのだろう。
とりあえず、店員の出方を見ることにした。カウンターに食券を差し出す。「そばでお願いします」。あえて温・冷を指定しない作戦である。これなら、店員がマニュアルに沿ったかたちで温・冷を判断してくれるはず……。頼むぞ、店員さん……。
しかし、浅はかな目論見は店員の一言で脆くも崩れ去った。
「冷たいそばですか? 温かいそばですか?」。
「……冷たいそばで」。
私はすべてを諦めた。冷たいそばにしたのは、トッピングの全貌が把握しやすいからである。
出てきたのは、わりかしまともな一杯だった。主役は蒸し鶏のほぐし身、そのまわりを温玉ととろろが固める。なるほど、「蒸し鶏のとろ玉」の「とろ」は「とろろ」でしたか。とろろは冷たいそばに合わせたいので、成り行きに任せて正解だったわけだ。
蒸し鶏に目が行きがちだが、とろろと温玉が味ヘン要員となって大活躍する。とろろをそばに満遍なく広げてもいいし、蒸し鶏に温玉をからめてもいい。なんなら、まぜそば感覚で食べてもOK。トッピングはシンプルな構成になっているが、じつは遊び甲斐のある一杯なのであった。
希少性:★ ★ ★ インパクト:★★☆ コスパ:★★★
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