2020-07-21

343杯目:富士そば稲田堤店で岩下の新生姜 自家製サラダチキンそば

 この夏、富士そばでは「岩下の新生姜」とのコラボブームが起こっている。6月に販売した「岩下の新生姜&鮫の天ぷら」を皮切りに「岩下の新生姜と蒸し鶏そば」や「岩下の新生姜そば」などが次々と加わり、現在は計5種類が揃い踏みする。

 そのうちのひとつが「稲田堤店」限定の「岩下の新生姜 自家製サラダチキンそば」(580円)である。主役の新生姜は、50グラムを贅沢に使用。繊維がやわらかく、繊細な歯触りがくせになる。あとひく辛さを引き立てるのがサラダチキンの淡白な味わい。本家よりも肉々しく、食べごたえがある。

 2つの食材の持ち味を活かした夏にぴったりの一杯なのだが、POPに関しては本道から逸脱しているといわざるを得ない。
 POPには、そばの切り抜き写真を大きく配置した。背景の岩壁は、青森県佐井村にある秘境「仏ヶ浦」。産地なのかと思いきや、驚くことに新生姜とはまったく縁のない土地である。じつは、このレイアウトに制作者の遊び心が隠れているのだ。「岩」がそばの「下」にある。「岩が下」。つまり、「岩下」のダジャレというわけ。「イカしたエビ天丼」とおなじロジックである。
 様々なフォントを駆使したコピーも暴走気味。「乱切りそばはサンドバッグになる」「新生姜パンチたっぷり50グラム」「サラダチキンは箸休め♪」など支離滅裂とした言葉選びに圧倒される。この域に達するには、非合法な手段で覚醒するしかないのではないか。ダメ押しはこの一言。「交互に食べると何度もストレートパンチを体験できます」。いや、食べる前からすでにノックアウトです!
希少性:★★★ インパクト:★★☆ コスパ:★★☆

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