2020-06-20

333杯目:富士そば市ヶ谷店でビッククリスピーおろしミニ丼セット

 世の中には食通と呼ばれる人がいる。流行りの店や料理にアンテナを向けて、美食の最先端を追い求める――。美食のためなら時間もお金も惜しまない。こういった趣味・嗜好が大衆に浸透したのは、ここ100年くらいの話なんじゃなかろうか。
 私は食通ではないので、料理の感想はだいたい「ふつう」か「美味しい」で完結する。味覚が寛容にできているのだと思う。一方で、歯ごたえはけっこう気にしたりする。極太のプレッツェルや「堅あげポテト」のような、ザクザクとした食感が好きなのだ。バカっぽいけど、事実だから仕方ない。

 ここ最近のヒットは、富士そば市ヶ谷店の限定メニュー「ビッククリスピーチキン」(単品300円)。揚げ玉をまぶしたフライドチキンのような見た目をしており「ビック クリスピーチキンおろしそば」(590円)と「クリスピーチキンおろしミニ丼セット」(680円)で提供される。

 今回は丼セットを紹介する。ご飯にチキンを盛りつけたもので、薬味に塩だれのかかった大根おろしが添えられる。丼から豪快にはみ出すチキンは、インパクト絶大。POPにある「手のひらサイズ」を上回る存在感を放っている。最大幅約16センチ、厚み最大2センチ。とにかくデカい。「ビック」の名に偽りなし(本来なら「ビッグ」ではないか?)。重量級で、箸で持ち上げるのも困難なほど。

 かぶりついて、二度ビックリ。硬い。とにかく硬い。ザクザクにしてボリボリ。小気味いい音が脳内に響く。それが楽しい。富士そば史上、最も硬いトッピングであることは間違いない。とはいえ、硬いせんべいや芋けんぴのような食感ではない。揚げ玉の中心部が空洞になっているから、エアリーな余韻がある。「ザクッ!」ではなく「ザクッ……」みたいな。絶妙なクリスプ加減がくせになる。
 食べごたえもあるので、周辺のビジネスパーソンにも喜ばれそうだ。少々値は張るが、この店を代表するロングセラーになる予感がする。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★☆

 

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