2020-06-27

335杯目:富士そば池袋西口店で柚子香る炭火鶏つけそば

 富士そばの店舗限定メニューは、ユニークなネーミングが多い。たとえば「イカしたエビ天丼」「俺の唐揚げそば」「富嶽セット」「淡麗煮干し汁肉つけ蕎麦」など。なかには「冷やし肉わかめマヨまみれそば」なんてヤケクソなものも。詰めの甘さをネーミングの勢いで乗り切ろうとするメニューが無いことも無い。ただ、私を含めて、ぶっ飛んだネーミングに惹かれて、購入を決める客が一定数いる。楽しませてもらっている一方で、手の平で転がされている感じがして悔しくもある。
 今回紹介する「香る」シリーズは、わりと上品な部類に入るネーミングである。「香る」シリーズとは「柚子香る炭火鶏つけそば」「鶏油香るとりごぼうつけそば」「梅香る彩り三昧そば」の総称。私が勝手に命名した。

「柚子香る炭火鶏つけそば」(590円)は「池袋西口店」をはじめ、一部店舗で取り扱われる限定メニュー。つけ汁の具は、炭火で焼いた鶏もも肉と白髪ねぎ、柚子皮。香ばしさとさわやかな香りが食欲をかきたてる。そこへ、ざるそばの海苔の風味も加わって、上品な仕上がりに。

 ツイッターを見ていると、その原型が10年ほど前に登場していたことがわかった。出典は、富士そばの公式ツイッターアカウント。販売当時、以下のようなツイートが投稿された。

 開発したのは、池袋東口店。当初は、豚肉(牛肉?)を使っており、長い年月を経て「柚子香る」のコンセプトだけを残して、鶏つけそばに継承されたようだ。
 ツイッターに開発者を見つけたが、すでに富士そばを退社していた。かつていた職場に、いまも自身の考えたメニューが残り続ける。感慨深いものがあるんじゃなかろうか。そんなドラマ性もふまえて楽しみたい一杯である。
希少性:★★★ インパクト:★★☆ コスパ:★★☆

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