458杯目:富士そば恵比寿駅前店で恵の油そば
飲食店において、メニューの名づけは売上にも影響しかねない大切な要素である。富士そばも例外ではなく、凝ったネーミングのメニューも少なくない。「肉富士そば」や「大きいコロッケそば」といったストレートなネーミングから、「きつねのこめいり」「痛! 鶏天そば」などのひねりの効いたネーミングまで多彩。なかには「俺の唐揚げそば」なんて、主張の強いメニューも。
主張が強い、という点では恵比寿駅前店の「恵の油そば」(460円)も抜きんでている。「恵」とは、このメニューを考案した店長のこと。代官山店の「さっちゃんのいなり」や市ヶ谷店の「しのぶの肉味噌稲荷」に続く”名前シリーズ”である。
ある日、店を訪れると厨房に「恵」がいた。にこやかで丁寧な接客が気持ちいい。店内の雰囲気もいつもより明るく華やかだ。これは「油そば」にも期待できる。
「油そば」は、いつもの「ラーメン」を汁なしにアレンジした一品。ホスピタリティの表れか、麺の上には刻み海苔がたっぷり。香りがよく食欲をそそられる。ほか、チャーシュー、メンマ、ゆでたまご、ナルトがトッピングされていて、なかなか豪華。ワンコイン以下の価格設定がうれしい。
店長に「よく混ぜて」といわれたので、丼の底にたまっていたタレと麺を満遍なくミックス。海苔はダマになりやすいので、あらかじめ全体に散らしておくと攪拌しやすい。それはそうと、この背徳感たるや。「油そば」に限らず、こうして料理を自らの手でグチャグチャにするのは勇気がいる。もとの盛りつけが整っていると余計に申し訳なさが先に立つ。
別皿のおろしニンニクはお好みで。試練を耐え忍んだ末に味わう、油そばの美味しさはひとしおだ。食べ進めるほどに大人の階段を上がっていくような気にさせられる。
希少性:★★★ インパクト:★★☆ コスパ:★★★
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