2024-01-27

580杯目:富士そば三光町店で素朴な玉子丼

 富士そばの一部店舗で「炭火焼 親子丼」の欠品が続いている。聞いたところによると、親子丼用鶏肉の供給が滞っているという。炭火焼き風に加工された業務用なので、別の鶏肉で代替できるものではない。供給が再開するまでの間、親子丼はおあずけになりそうだ。

 この状況を逆手にとって、生まれたメニューもある。三光町店の「素朴な玉子丼」(単品520円)である。玉ねぎの玉子とじが乗った丼もので、要は親子丼の「鶏肉抜き」。発想を大胆に飛躍させ、親子丼が抜けた穴を埋めてみせた。

「玉子丼」は一見、面白みがなく、インパクトにも欠ける。しょぼく感じる人もいるだろう。しかし、そんな物足りなさも「素朴」の一言で片づけてしまう力業。エモーショナルに訴えて、客の心をつかみにかかる。開き直ることも、ときには大切なのだ。

 「かつ丼」に代表されるように、富士そばの玉子とじはクオリティが高い。マニュアルのひとつに「しあわせかつ丼」なるレシピが存在しており、溶き卵の半熟具合が絶妙でとろっとろなのである。「玉子丼」も言わずもがなで、するすると胃に落ちていく。
 この日食べた「玉子丼」も申し分ない出来であったが、ひとつ残念なことがあった。サンプル写真にはあった刻み海苔が忘れられていたのである。いわば、より質素な「超・素朴な玉子丼」。考えようによっては、なかなかレアである。
希少性:★★★ インパクト:★☆☆ コスパ:★★★

 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP