580杯目:富士そば三光町店で素朴な玉子丼
富士そばの一部店舗で「炭火焼 親子丼」の欠品が続いている。聞いたところによると、親子丼用鶏肉の供給が滞っているという。炭火焼き風に加工された業務用なので、別の鶏肉で代替できるものではない。供給が再開するまでの間、親子丼はおあずけになりそうだ。
この状況を逆手にとって、生まれたメニューもある。三光町店の「素朴な玉子丼」(単品520円)である。玉ねぎの玉子とじが乗った丼もので、要は親子丼の「鶏肉抜き」。発想を大胆に飛躍させ、親子丼が抜けた穴を埋めてみせた。
「玉子丼」は一見、面白みがなく、インパクトにも欠ける。しょぼく感じる人もいるだろう。しかし、そんな物足りなさも「素朴」の一言で片づけてしまう力業。エモーショナルに訴えて、客の心をつかみにかかる。開き直ることも、ときには大切なのだ。
「かつ丼」に代表されるように、富士そばの玉子とじはクオリティが高い。マニュアルのひとつに「しあわせかつ丼」なるレシピが存在しており、溶き卵の半熟具合が絶妙でとろっとろなのである。「玉子丼」も言わずもがなで、するすると胃に落ちていく。
この日食べた「玉子丼」も申し分ない出来であったが、ひとつ残念なことがあった。サンプル写真にはあった刻み海苔が忘れられていたのである。いわば、より質素な「超・素朴な玉子丼」。考えようによっては、なかなかレアである。
希少性:★★★ インパクト:★☆☆ コスパ:★★★
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