582杯目:富士そば恵比寿駅前店で釜玉うどんと小エビのバラチャウンセット(小ライス付)
ミャンマー女性、老舗温泉旅館の総支配人に――。そんな見出しのネット記事を読んだ。31才のミャンマー人女性が群馬の旅館の総支配人に抜擢されたという。記事を読みえると、富士そば恵比寿駅前店のことが頭をよぎった。
2020年11月、恵比寿駅前店が「ミニチェッターヒンセット」を販売した。「チェッターヒン」はミャンマーの郷土料理で、「チェッター」は「チキン」を、「ヒン」は「カレー」という意味合いらしい。「ミニチェッターヒンセット」はミャンマー人スタッフのアイデアが活かされており、味は日本人に向けにアレンジされている。本場の味ではないにせよ、まさか富士そばでミャンマー料理が登場するとは……。富士そば好きの間に衝撃が走ったのは、いうまでもない。これ以来、富士そば恵比寿駅前店が、私とミャンマーを結ぶ唯一の存在になった。
そして2024年2月、恵比寿駅前店に再びミャンマー風メニューが帰ってきた。「釜玉うどんと小エビのバラチャウンセット(小ライス付)」(630円)である。店頭の立て看板には「小エビのバラチャウン(うま辛くてサクサクとしたふりかけ)」と説明があった。さらに続けて「白米に入れても良し! 釜玉うどんに入れても良し!」。フォントの大小を駆使してあらんかぎりに詰めこまれた文字情報から、店の気合がビンビンと伝わってくる。10パターン近い手書きPOPも店内に掲示されており、もはや「バラチャウン屋」の様相だ。
これがバラチャウン。材料は、小エビ、フライドオニオン、フライドガーリック、唐辛子。パラパラに仕上がっており、ちゃんと「ふりかけ」している。
釜玉うどんをよく攪拌して、バラチャウンを投入。乳白色の大地に香り高き深紅の花が咲く。バラチャウンとともにうどんを口に運ぶと、小エビとニンニクの風味が広がった。味つけが控えめだから、オニオンの甘みも際立っている。うどんの出汁醤油ともベストマッチ。これがつゆありのうどん(そば)であれば、風味が散っていたにちがいない。釜玉での提供が最適解。はじめから釜玉うどんのために開発されたのかと思うくらい、一体感がある。ちゃんと辛いので、この時期にはうってつけである。
ごはんにもかけてみた。これが本来の運用方法? 悪くないはないけど、もう少し汁っ気が加わると進化を発揮しそう。
単品のバラチャウン(200円)を使えば、アレンジも自在。バラチャウン増し増しにしたり、カレーライスにかけたり。評判がよければ、ミャンマー風メニュー第3弾も期待できる。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★★
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