624杯目:2月のフェアメニュー 名代塩そば&塩ゆず鶏そば
富士そば2月のフェアメニューは「名代塩そば」(470円)と「塩ゆず鶏そば」(780円)。富士そばといえば、醤油が効いたストロングスタイルのつゆでお馴染みだが、こちらの2品は塩ベースのつゆが使われている。つゆのアップデートとはなかなか面白い。富士そばもいつになく張り切っており、公式サイトで「蕎麦切りの歴史を開拓します! いざ、新時代へ!」と打ち出した。
「名代塩そば」のトッピングは、お麩3個とワカメ、ネギのみで「かけ」に近い状態で提供される。小細工なしの直球勝負に出たのは「塩つゆだけでも充分満足させられる」という自信の表れか。
つゆをレンゲですくうと、その透明度の高さに驚いた。塩味は薄すぎず、濃すぎずの絶妙なバランスで、舌にじわりと余韻を残す。なんとなく、「雑煮そば」や「日本そばの沖縄そば風」のつゆを思い出す味わいだ。
この優しい塩つゆにはどのようなトッピングがあうのか。そう思い、試しに天ぷら(野菜かき揚げ)を追加してみたのだが……残念ながらイマイチ。悪くはないけれど、天ぷらの主張が強すぎて、塩つゆの存在感が霞んでしまった。つゆの持ち味を活かすなら、ネギや生姜といった薬味系のトッピングと相性がいい気がする。
もう一品の「塩ゆず鶏そば」はどうか。これがアタリであった。蒸し鶏と塩つゆが文句なしの相性。きっと前世で一緒だったに違いない。また、ゆず皮のさわやかな風味もいいアクセントになっている。「ゆず鶏ほうれん草そば」のときは「おまえいたのか?」くらいの存在感なのに。ここぞとばかりに本領発揮ときた。
「塩ゆず鶏そば」は全体的にまとまりがよく、今後もちょこちょこ再販されそうな気がする。ただ、まとまりがよいということは、改良の余地がないということでもある。果たして、「塩ゆず鶏そば」を超えるアレンジは可能なのだろうか(そういえば「鶏塩そば」なんてメニューもあったな)。珍そばの登場にも期待しつつ、新時代の幕開けを見守りたい。
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