2023-11-24

569杯目:富士そば武蔵境店で鶏塩そば

 富士そばのつゆといえば、醤油がしっかりと効いたストロングスタイル。どんな天ぷら、薬味を入れても味がぼやけることはなく「これぞ富士そば」を主張する。お店から漂う出汁の香りを嗅ぐと、頭に浮かぶのはあの黒いつゆ。富士そばのつゆにはそれくらいの存在感がある。

武蔵境店で食べてきた。

 だけど、たまには別の味も楽しみたいよね。という声が内部から挙がったのかどうかは定かでないが、変化球のメニューが現れた。塩ベースのつゆを使った「鶏塩そば」(790円)だ。大井町店・吉祥寺店・川崎東口店・津田沼店などの11店舗で提供されている。

 澄んだつゆをレンゲですくうと、透明感が際立った。店内にあったPOPによると、一番出汁を使っているらしい。ということは、通常のつゆと同じかつお出汁だろうか。うっすらと琥珀色をしているから、塩ダレで調味しているのかもしれない。
 そこそこ塩分は強いものの、通常のつゆよりもあっさりしている。二日酔いのときに食べたら、格別の美味さだろう。後味も沖縄そばのつゆっぽくておもしろい。

 柚皮や炭火鶏などの風味もいつも以上に活きている。とりわけ、炭火鶏の香りがいい。スモーキーで食欲をかきたてる。醤油ベースのつゆであれば、こうはいくまい。トッピングの香りも味も脇役にまわり、彩りすらも漆黒に飲みこまれていたはず。それをふまえると、天ぷらよりも素材そのものを使ったトッピングと相性がよさそうだ。例えば、わかめとか豚肉とか。夏はぶっかけそば風のアレンジにも期待したい。
希少性:★★☆  インパクト:★★☆ コスパ:★☆☆


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