460杯目:富士そば笹塚店で春の豚つけそば
SNSが暮らしに定着した昨今、料理の見栄えを重視する傾向がより顕著になってきた。見栄えする料理は拡散力が高い。注目を集めたいユーザーが躍起になって料理の写真をUPして、「イイネ」の数を競い合う。そして、料理を提供する側の見映え合戦もより苛烈に。いまや、料理を「かわいい」と形容することも違和感がなくなった。
その潮流は、富士そばにも侵食している。笹塚店で食べた「春の豚つけそば」(560円)も「かわいい」を意識した一杯。よく見かける「豚つけそば」に刻み生姜がトッピングされている。一見、ただのマイナーチェンジ。いったいどこがかわいいの? そう思う人もいるだろう。しかし、富士そばが用意したリリース画像にはちゃんと根拠が記されているのだ。
このように「かわいい」「明るい」「春っぽい」ことがハッキリと言及されているのだ。なんという説得力。対して、従来品は「黒い」と一蹴。この軽薄なまでの変わり身の早さこそ、富士そばの真骨頂。完全に“インスタ脳”になってしまったようだ。
かわいいかどうかは置いておいて、刻み生姜がいい仕事をしている。豚肉の脂がとけたつゆと生姜の辛味・酸味が交差して、味に奥行きが加わった。
つけそば系のバリエーションとして、通年販売してもいい気がする。「春の豚つけそば」ではなく「かわいい豚つけそば」に改名すれば、ファンシー好きの客を一網打尽にできそうだ。
希少性:★★☆ インパクト:★★☆ コスパ:★★☆
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せっかくなので、過去のかわいい系メニューを紹介しておこう。
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