462杯目:富士そば北千住東口店でミニ背脂にんにく卵かけご飯セット
飽食の時代に生きていることを改めて実感する日だった。富士そば北千住東口店で「ミニ背脂にんにく玉子かけご飯セット」(500円)を食べてきたのだ。
背脂がたっぷり溶けた「インスパイアそば」に替わって登場した店舗限定メニュー。そばのときはさして気にならなかった背脂だが、こうしてご飯にダイレクトに乗っている様を目の当たりにすると、根が繊細にできている私は少々萎縮してしまう。なにもわざわざ背脂を食べなくてもよかろう、と思ってしまうのだ。
恐る恐る背脂をひと掬い――、とろみはほとんどなく、ギュっと凝縮したような塩梅。口に運ぶと、にんにくの強烈な香りが弾けた。味つけは濃い目で、背脂の甘みがじわじわ、じわじわと余韻を残す。味覚中枢に直接訴えかけてくる。食べ進めていくうちに背脂の塩味と玉子のコクが調和していき、味わいのグラデーション。これは魔性の食べ物だ。
この味をなにに例えたらいいだろう。脂味噌や肉味噌から発酵調味料特有の風味を取りのぞいて、よりジャンクにしたような味わい、といったところか。聞けば、業務用の背脂に醤油やにんにくを加えているのだとか。つまり、にんにくを追加すれば、さらにパワーアップできるということ。いずれは背脂の追加トッピングを望む声も出てくるだろう。そのように思考を巡らせているうちに、背脂に虜になっている自分に気づく。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★★★
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