2025-01-25

コラム13:2024年に食べた珍そば・奇丼をふりかえる 富士そば・オブ・ザ・イヤー2024

富士そば・オブ・ザ・イヤーについて

「富士そば・オブ・ザ・イヤー(FOTY)」とは、このサイトの管理人がその年に食べた富士そばのメニューから、とくに印象深い「珍そば」「奇丼」10品を厳選する企画。初めて食べたメニューだけを取り扱うので、基本的に店舗限定メニューやタペストリメニューなどで構成される。
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※管理人の独断と偏見による選評です。内容について、店舗や運営会社に問い合わせることはやめてください。

2024年の富士そばをふりかえる

 FOTY2024は66品のメニューがノミネートされました。FOTY2023と比べて20品近く減っていますが、店舗限定メニューやタペストリメニューの提供数自体は例年と大きく変わりありません。ノミネート数減少の理由は至ってシンプルで、私自身が珍そば・奇丼に巡り合う機会が少なかったからです。昨年は三度目となる全店制覇を敢行していたため、店舗限定メニューを量産する店舗を充分にまわることができませんでした。加えて、本業がやたらと忙しく、年を明けてのFOTY204発表となりました。
 さて、気を取り直して、まずは昨年の富士そばをふりかえってみましょう。昨年もじつにいろいろな出来事がありました。主なトピックを以下にまとめてみます。
 ①富士そばの店舗管理会社が8社体制から6社体制に
 ②沖縄産の生もずくを使用した「もずくそば」が展開
 ③マグロばくだん丼が登場
 ④錦糸町店、湾岸食堂がオープン
 ⑤フィリピンに二軒目のFC店がオープン
 ⑥板橋店、北浦和店、日ノ出町店が閉店
 ⑦公式ECサイトがプレオープン

 特筆すべきは、①の店舗管理体制の変更です。これが今後の店舗運営にどのような影響を及ぼすのか、期待半分・不安半分といったところ。また、③の「生もの解禁」は、これまでの禁忌を打ち壊す衝撃的なトピックでした。「マグロばくだん丼」の展開はフードロス解消を目的にスタートしているそうで、「サスティな!」というテレビ番組でも取り上げられていました。
 ⑥の閉店ラッシュは少し寂しいニュースですね。とくに板橋店は結構気に入っていた店舗なのでちょっと残念。一方で、新店舗がオープンしている点(④⑤)をふまえると、新陳代謝をしっかり続けているともいえそうです。
 食べたメニューをふりかえると、2023年よりも面白いものが多かった印象です。とくに各運営会社で独自の展開があった「もずくそば」(②)は新鮮な試みでした。全店共通のタペストリメニューやフェアメニューを除けば、運営会社間で足並みを揃えることって意外と少ないんです。ただ、原材料費の高騰を考えると、メニュー開発における制約も以前より厳しくなっているはずです。アイデア豊富な店長や運営者であるほど、現状にもどかしさを感じているかもしれません。こうした逆境が創意工夫につながっているとも考えられますが、それはそれで皮肉な話ですね。
 私個人の話をすると、「富士そばライター」としてメディアに登場する機会がパタリと途絶えました。これまでは年越しそばと関連づけた企画に携わることも多かったのですが、それも無し。ここ数年間続いていたマニアブームも一服したようだし、それにともなって「富士そばライター」の賞味期限も切れたのでしょう。また、富士そばの面白さが世間にも広く知られるようになり、私のようなキワモノを媒介せずとも企画が成り立つのだとメディア側も判断したのかもしれません。どのような理由せよ、私は2025年も変わらずこのサイトで情報を発信し続けます。

富士そば・オブ・ザ・イヤー2024

 2024年食べた店舗限定メニュー、タペストリメニューのなかから、とくに印象深い10品を選びました。ランキング形式ではなく、順不同です。

■日本そばの沖縄そば風(品川店)
 通常のかけつゆではなく「沖縄そば」のつゆを使ったそばです。「沖縄そば」の販売にも驚きましたが、まさか日本そばと掛け合わせてしまうとは。品川店らしい、なんとも遊び心のあるアレンジです。沖縄そばのつゆは、うどんやラーメンにも合うと思います。品名が少し野暮ったいのはご愛嬌ですね。

■クーリッシュ冷したぬきそば(池袋店)
 ロッテとのコラボで誕生した珍そば。いわゆる「公式が病気」ってやつですね。クーリッシュの甘さとキツネ(油あげ)の甘さがマッチしていて、見た目のインパクトの割に食べられる味です。世間から飽きられるのが早かったような気がするのは、狙いすぎな感じがしたからでしょうか。

■拉麺 梅太郎そば(国立南口店)
 所沢市にあるラーメン店・梅太郎とのコラボメニュー。「日本そばの沖縄そば風」同様、つゆに梅太郎のスープを使っています。豚骨、豚ひき肉のエキスが溶けたスープは濃厚かつクリーミー。不思議と後味はさっぱりしていて、一度飲んだら止まらなくなります。あともう一回くらい食べたかった。

■給食だいすきセット(三光町店)
 また三光町店か⁉︎ と言われそうですね。もはや、FOTYの常連です。こちらのセットは映画「おいしい給食」とのコラボメニュー。映画やゲームとのコラボメニューは数多く販売されてきました。しかし、ここまで手のこんだメニューって意外と少ないんです。きっと配給会社も喜んでくれたはず。

給食だいすきセット

■インフィニティコロッケそば(秋葉原店)
 秋葉原店もFOTYの常連です。ステーキ丼、ナポリタンカレー、屋台セット(たこ焼き&焼きそば)……と、昨年だけでも多彩なメニューが登場しました。なかでも、インフィニティコロッケはネットでバズり散らかしていたので、今後もファンの間で語り種になりそう。味は見たまんまです。

インフィニティコロッケそば

■明太カルボナーラそば(津田沼店)
 津田沼店も秋葉原店に負けず劣らずメニュー開発がさかんです。インパクトこそ控えめですが、手の込んだメニューが多く、いつも感心させられます。先日販売された「バターチキンカレー」を食べ逃したのが残念でなりません。

明太カルボナーラそば

■トマト鶏つけそば(阿佐ヶ谷店)
 阿佐ヶ谷店はグランドメニューを中心とする実直なスタイルの店舗。ところがですね、たまにこういう珍そばが登場するので油断なりません。SNSでの告知がなかったら、きっと見逃してました。この一品に出会ってから、阿佐ヶ谷店への興味が再燃しました。

トマト鶏つけそば

■たっぷりキャベツの冷し旨塩そば(渋谷東口店)
 こちらのキャベツそばは今回のダークホースというか、思わぬ伏兵というか……。5店舗での提供で、そのうちの一軒に渋谷東口店が入っていたときの衝撃たるや。もともと「珍そば」を提供するイメージがない店舗だったので、驚きもひとしおです。アイデアは面白いけど、どれくらい売れたんですかね。

たっぷりキャベツの冷し旨塩そば

■富士そば流トマトカレー(国立店)
 カレーライスといえば、富士そばの定番メニューのひとつ。これまでに「もつ煮玉カレー」や「カレーコロッケカレー」といった、さまざまなメニューに派生しています。ただ、「富士そば流トマトカレー」のようにカレーソースそのものをアップデートするのは結構希少。食べ足りなさはあるものの、松屋のトマトカレーより好きです。

富士そば流トマトカレー

■エビと水菜のフォー(代官山店)
 まさかのフォーです。どうのような経緯があったのか、複数の店舗で販売されました。代官山店のサイネージ看板では「富士そばでフォー……だと??」と、セルフツッコミ。そのわりに結構気合が入っており、この「エビと水菜のフォー」と「蒸し鶏とほうれん草のジンジャーフォー」の二種展開でした。もちろんこのブログでも取りあげるつもりでした。しかし、仕事で忙殺されており、結局紹介するのがこのタイミングになってしまいました。残念。

エビと水菜のフォー

 FOTY2024の10品が出揃いました。こうして見ると、イベント的なコラボメニューや複数店舗で展開したメニューが目立ちますね。個人的には店長が主導した一店舗限りのメニューに惹かれます。となると「給食だいすきセット」「明太カルボナーラそば」「トマトカレー」などがより一層際立って見えるくる。しかしながら、物価高や人材不足などのしがらみが多い世の中です。どのような店舗限定メニューであれ、提供してくれるだけで百点満点なんですけどね。そんなことを思いながらのFOTY2024でした。

■過去のFOTYについて
富士そば・オブ・ザ・イヤー2015
富士そば・オブ・ザ・イヤー2016
富士そば・オブ・ザ・イヤー2017
富士そば・オブ・ザ・イヤー2018 ※休止
富士そば・オブ・ザ・イヤー2019
富士そば・オブ・ザ・イヤー2020 ※メディア企画として実施
富士そば・オブ・ザ・イヤー2021
富士そば・オブ・ザ・イヤー2022
富士そば・オブ・ザ・イヤー2023

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