コラム10:富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 最優秀賞を発表! 50品のなかから頂点を勝手に決める
富士そば・オブ・ザ・イヤー2023が決定しました。2023年の間に食べた店舗限定メニュー、タペストリ(季節限定)メニュー約80品のなかから、50品を厳選。ランキング形式でご紹介します。
結果だけを知りたい方はこちら。
■富士そば・オブ・ザ・イヤーについて
「富士そば・オブ・ザ・イヤー(FOTY)」とは、このブログの管理人がその年に富士そばで食べた“珍そば・奇そば”を選評するランキング(そば以外のメニューも含まれる)。「インパクト」「アイデア」「希少性」「筆者の思い入れ」の基準にもとづいて評価します。
※このランキングは、管理人の独断と偏見によるものです。順位や内容について、店舗や運営会社に問い合わせることはやめてください。
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023の総評について
今年は、過去最高レベルのノミネート数で、約80品のメニューが揃いました。豊作の理由は、運営会社主導で開発されたメニューが多かったことも関係していると考えます。秋葉原電気街店を中心に展開しているデラックスメニューやプロレスラー・桜井まい選手とのコラボメニューなどがその好例です。前者は富士そばの新機軸を打ち出すべく、インバウンド向けの高価格帯メニューを次々と開発。取り扱う店舗も少しずつ増やし、富士そばのニュースタンダードを目指しています。後者は、桜井選手のキャラクターもあって、インパクト重視のメニューが中心。「カレーパン丼」や「エスカルゴ天そば」など、富士そばらしさ全開です。やはり、トップ陣営が本気を出したときの爆発力はすごい。
ただ、個人的には店舗単位で動いている企画やメニューを推したいところ。注目株は、店舗限定メニューを量産している秋葉原店。数週間単位で新作が販売されるので、通いがいがあります。また、今年オープンした赤坂店も自家製の「ほろほろ肉」を使ったメニューを多数展開。いまや赤坂店の代名詞になりつつあります。そのほか、若干地味だった王子店や西武新宿店などが店舗限定メニューを出し始めたことも見逃せません。この数年間、店舗限定メニューを自粛するムードが漂っていましたが、コロナ禍がなんとなく明けたせいか、各店が本腰を入れはじめたようです。
なお、昨年末に文春オンラインで発表した「珍そば・オブ・ザ・イヤー」は「そば」に特化したランキングで、FOTYとは選定基準や評価基準が異なります。
参考:
ピンク色のお菓子、エスカルゴをのせた変わり種も…「富士そば」が今年発売した「珍そばベスト5」
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 50~41位
若干、おとなしめのラインナップですね。 47位の「蛤ラーメン」は、三重県桑名市のふるさと納税を応援するために開発されたメニュー。スープに桑名でとれた蛤のエキスが溶けており、なかなか本格的な味わい。桑名市長も太鼓判を押すほどのクオリティでした。ただ、インパクト不足だったのか、売り上げはふるわなかったようで……。蛤の身がはいっていれば、反響も変わっていたでしょう。「鍋焼きほうれん草カレーうどん」や「うなかつ丼」くらいの引きあるがとよかったかもしれません。
50位:大地の塩ラーメン(京急蒲田店ほか)
49位:ミニイカキムチ丼セット(船橋店)
48位:謹製 豚カレーうどん(赤羽店ほか)
47位:蛤ラーメン(板橋店ほか)
46位:鍋焼きほうれん草カレーうどん(金町店)
45位:ミニバンバンジー丼セット(立川店)
44位:ミニダブルいか天丼セット(上板橋店)
43位:うなぎの玉子とじ丼セット(上野店)
42位:うなかつ丼(三光町店)
41位:ミニハンバーグ丼セット(秋葉原店)
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 40~31位
デラックスメニューの「贅沢しあわせかつ丼」がランクイン。従来のかつ丼の豪華版なので、35位が妥当でしょう。デラックスメニューの企画自体は面白いです。豪華といえば「ミニミニ天丼」も小ぶりながら、情報量が多く、満足度の高い一杯でした。
「たぬきラーメン」はシンプル極まりないメニューですが、味わい深くて大変結構。なぜ、他の店舗で取り扱わないのか不思議でなりません。
40位:ミックスフライ定食(秋葉原店)
39位:ミニミニ天丼セット(ふじみ野店)
38位:穴子一本天(全店提供)
37位:ゆずとろろ昆布そば(荻窪店ほか)
36位:和風カレーラーメン(新小岩南口店)
35位:贅沢しあわせかつ丼(秋葉原店ほか)
34位:冷しゆず鶏ゴーヤそば(三光町店)
33位:たぬきラーメン(西武新宿店)
32位:ミニ月見辛豚玉セット(王子店)
31位:坦々つけ蕎麦(ふじみ野店)
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 30~21位
目を引くのは、21位の「チキンナゲット玉子そば」ですね。開発風景を覗いてみたくなる、文句なしの「珍そば」。なぜ、誰も止めなかったのでしょうか。疑問でなりません。個人的にはもっと振り切って、ナゲットをたくさん盛ってもよかったと思います。
奇抜さこそありませんが「ばら揚げごぼう天そば」の「ばら揚げ」も珍しくて、気にいっています。「ガパオそば」も間違いなく「珍そば」なのですが、こちらの想像を超えるほどのインパクトがなかったので、30位に。惜しい一杯です。
30位:ガパオそば(武蔵境店)
29位:ミニレバニラ丼セット(赤坂店)
28位:ほろほろ肉しょうゆラーメン(赤坂店)
27位:牛肉が主役のコロッケうどん(電気街店)
26位:ほうとう(綾瀬店)
25位:ミニポパイ丼セット(武蔵小山店)
24位:ミニぎょうざ丼セット(王子店)
23位:坦坦そば(全店提供)
22位:ばら揚げごぼう天そば(柏店)
21位:チキンナゲット玉子そば(渋谷桜丘店)
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 20~11位
「贅沢しあわせカレーかつ丼」と「DX大判かき揚げそば」のデラックスメニュー2品がランクイン。「かき揚げそば」といえば、立ち食いそばの定番ですが、富士そばはなぜか「コロッケそば」ばかり推しています。なので「大判かき揚げ」が出たときは少し驚きました。そういえば「エスカルゴ天そ」や「カニカマ天」もかき揚げのバリエーションですね。
12位に入った「鶏塩そば」の塩ベースのつゆも興味深い。つゆそのものにアレンジを加えるケースはかなり希少です。
20位:冷し蒸し鶏半分そば(代々木店ほか)
19位:たっぷりえびせんそば(高円寺店)
18位:ほろほろ肉そば(赤坂店)
17位:和風ひやかけ(西武新宿店)
16位:ミニカオマンガイセット(恵比寿駅前店)
15位:贅沢しあわせカレーかつ丼(品川店)
14位:DX大判かき揚げそば(秋葉原電気街店)
13位:カレーパン丼(門前仲町店)
12位:鶏塩そば(武蔵境店ほか)
11位:トリプルチキンプレート(下北沢店)
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 10~2位
ベスト10は、店舗発のメニューが出揃いました。なんと、そのうちの3品が秋葉原店のメニューです。店長のクリエイティビティは、北千住東口店(閉店)から秋葉原店に移っても変わらず。むしろ、勢いを増しています。お客の途絶えない立地なので、世間もこの店の面白さに気づじはじめているのではないでしょうか。
今年は、恵比寿駅前店も健闘していました。まさか「カオマンガイ」のアイテムを「冷しゆずおろしスウィートチリうどん」に応用するとは。そのほか「ガパオライスセット」「ガパオ丼」なども開発しており、エスニック料理の路線を追求しています。
「サラダそば(お酢入り)」は一風変わったコンセプトもさることながら、品名にわざわざ「お酢入り」と入れる律義さに心が掴まれました。開発者の人柄が見えてくるようです。「カニカマ天」も地味なんですが、カニカマを手ほぐししているところに趣きを感じます。
10位:からネギまぜそば(秋葉原店)
9位:おそば大好きかけもりセット(三光町店)
8位:富士山盛り極み(ふじみ野店)
7位:ガスパチョそば(秋葉原店)
6位:野菜富士(秋津店)
5位:冷しゆずおろしスウィートチリうどん(恵比寿駅前店)
4位:パーコータンメンそば(秋葉原店)
3位:サラダそば(お酢入り)(藤沢店)
2位:カニカマ天そば(王子店)
■富士そば・オブ・ザ・イヤー2023 最優秀賞 エスカルゴ天そば
最優秀賞は、門前仲町店の「エスカルゴ天そば」に決定。「カレーパン丼」と同じく、桜井まい選手とのコラボメニューです。エスカルゴのかき揚げは、立ち食いそば史上、類を見ない試み。ガーリックソースやフレッシュバジルも添える手の込みようで、これぞコラボメニューといった感じ。
今年は店舗限定メニューが充実していましたが、どれも甲乙つけがたいクオリティだったと思います。ただ、他を押しのけるほど突出した一品がなかったのも事実。どれもきれいにまとまっている感じで、昨年、ぶっちぎりの1位だった「ごっついまぜそば」のようなインパクトを備えた迫真の出来はありませんでした(ハナからそこを目指していないだけなのかもしれませんが)。
高価格帯のデラックスメニューの登場によって、レシピの幅も広がると思うので、今年の展開に期待したいところです。
■過去のFOTYについて
富士そば・オブ・ザ・イヤー2015
富士そば・オブ・ザ・イヤー2016
富士そば・オブ・ザ・イヤー2017
富士そば・オブ・ザ・イヤー2018 ※休止
富士そば・オブ・ザ・イヤー2019
富士そば・オブ・ザ・イヤー2020 ※メディア企画として実施
富士そば・オブ・ザ・イヤー2021
富士そば・オブ・ザ・イヤー2022
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